霊的科学の伸展

仙頭 泰
 谷口雅春先生が昭和五十五年三月に、生長の家の幹部の会議で話されたお言葉をここで私達の学習の資料といたします。谷口雅春先生は、現代の世情の混乱の状態は、人類の迷いの、唯物論の世界の崩れて行く有様であると、説いておられます。そこでこの混乱に満ちあふれている世の中を、調和ある生かし合い、助け合う世界にするためには、霊的科学が発達しなければならないと、説いておられるのであります。

 現代文明は物質を中心としたところの文明であります。ですから物質をありとして、それを奪ったら自分が儲かる、人間が幸福になるといった考え方になるのであります。その結果として、人類は物質の奪い合いの状態を現すのであります。つまり奪い合う世界、闘争し合う世界、憎しみ合う世界が現れるのです。

 「三界は唯心の所現」の世界であります。私達の環境は「観ずる」通りに現れるのであります。ですから私達が如何なる「観」を持つかということは、その人だけでなくその人の属する団体や、国家の運命にも影響を与えますし、また影響を受けるのであります。

 人類の幸福や繁栄を考えます時には、私達はそれらの考え方の源となっている「観」というものに、注目しなければならないのです。「観」の転換は、これからの人類の幸福のためには必要なことであります。生長の家では、現代の人々にとって必要なものは、まず「人間観」の転換であることを叫び続けているのであります。

 物質科学の発達によって、現代の社会は色々な人類の悩みを抱えこんでいます。そこで本当に人類の幸福と繁栄を願うならば、今までの社会を支えてきた人類の間違っていた「観」の転換が、どうしても必要になるのであります。そこで谷口雅春先生は、次の如く述べたおられるのであります。

 「唯物科学の裏を行くところの霊的科学が発達して、皆さんのような真理の代表者がですね、現れてきて、奪えば増える、奪えば栄える、幸福になるという人類の迷いを打ち消してやる働きが、もっと顕著に起こらなかったら、本当に人類の滅亡ということになる。
 皆さんはその唯物科学のその裏を行く霊的科学の、その真理の伝道者として全世界の人類を救うために、真理を伝道しなければならない。そいう使命を神様から与えられているわけなんです。」

 今までは物質に、多くの人達が依存して唯物的な考え方から、奪えば幸福になるという方向で、科学文明が発達した結果、今日のようになってしまったのであります。そこで世界が変わるためには、人間の心がどうしても変わらなくてはならないのです。ですから谷口雅春先生は、実在世界、実相世界は善一元であると云う根本真理に全人類が目覚めることが大切であると教えておられるのであります。

 生長の家の一大宣言であります"現象なし""実相独在""真理のみ独在する"という、
この大思想に人類の大部分が置き換わることによって、はじめて人類を滅亡の危機から救い得ることを説いているのであります。そして人類を滅亡から救う使命をもっているのが、私達メンバー 一人一人であると説かれ「皆さんが救世主である。皆さんが谷口雅春である、そして人類を滅亡から救うのである」と教えて下さっているのであります。

 谷口雅春先生は、この時の話の結びとして、つぎのように述べておられます。
「自分が真理の伝道の旗頭として、神様から選ばれているところの、すばらしい役割をもっているんだ。そいう使命をいただいているんだ。全世界にこの生長の家の"現象なし""実相のみある"という大真理を宣伝していくんだ。

 自分は神から選ばれた天使である。人類の滅亡を救うために、生長の家の教え、真理を聞くことが出来たんだと云う大使命を、それを改めて自覚しなおして、なお一層勇気と明智、そして無限の愛とをもって、人類を救っていただくことを希望しまして結語といたします。」

 私達はつねに、神と谷口雅春先生と共に、神の人類光明化運動に挺身させていただいているのです。私達は真理の学習することを怠ってはなりません。幹部と呼ばれる人ほど、自己の怠け心を克服し精進しなければならないのであります。

 霊的科学の伸展のために、「生命の実相」第一巻の「近代科学の空即是色的展開」「生長の家の健康学」「生長の家の超生理学」などを読みかえして、理解を深めて下さい。それから「生命の実相」第二巻の「生長の家の超薬学」「生長の家の神人論」なども繰り返し、読むことをすすめます。

 

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