素晴らしきみ教え

仙頭 泰(元生長の家ハワイ教化総長)


 生長の家の別名は「大宇宙である」と、神示の中に示されています。私たちはこの大宇宙の真理について学んでいるのであります。

 谷口雅春先生が生長の家の教えを、この地上に宣布を開始される前に、神から「今たて!」という強い言葉をお受けになられておられます。この時の強い御決意は、生長の家発進宣言と云われている「生長の火をかかげて」という御文章の中に明示しておられるのであります。

 生長の家の運動がこの地上に展開されるに際して、谷口雅春先生は四つの神啓をお受けになりました。それは昭和四年(1929年)十二月十三日のことでありました。「生命の実相を知れ」「人間神の子」「今即久遠」「天地一切のものと和解せよ」と云う神啓であります。

 生長の家の運動は、神が始められた「神の人類光明化運動」なのであります。私たちは常に「招神歌」を唱えて、神と偕に生き、神と偕に仕事を為すとの自覚を忘れることなく、天地の祖神の道を伝えんと顕れました生長の家の大神の守りを受けていきいきとした生活をしていくのであります。

 この「生長の家の大神」は、「七つの燈台の点灯者」とも呼んでよいと神示の中に示めされております。神は宇宙に遍満する創造の原理であり、法則であり、無相にして無限相にして虚空に満ちて遍満しておられるのであります。ですから私たちの内にも、みちみちておられるのであります。生長の家では常に内在する神に呼びかけることを教えているのであります。

 「生命の実相」第一巻の中に「生長の家とわたし」と題して、つぎのようなことを谷口雅春先生は書いておられます。詳しくは、各自で読んで理解してください。それは原稿をお書きになって居られるときの不思議な体験であります。「この時にはもう普段の自分なくて霊来たりて私を導き、弱い性質の自分にはとても書けない強い言葉が流れるように湧き出てくる」と述べておられます。

 そして谷口雅春先生御自身が「生長の家」の教えを聴聞し、ひたすらにその教えの如く生きて行こうと努力する一人の求道者にすぎないのであり、自分は教祖ではないことを述べておられるのであります。このことは谷口雅春先生がこの世を去られる二十日ほど前にお書きになられた「実相と現象」と題する御本の「はしがき」の中にも、読む人の魂に強く響く御文章があります。

 この中で、谷口雅春先生は九十余年の生涯を振り返って御覧になっています。そして自分の生涯は神よりの使命の達成であり、それに十分に応えきられた先生の魂の勝利の悦びがひしひしと感じられてくる御文章であります。ですから谷口雅春先生は、立教当初の「生長の火をかかげて」の御文章の中の御決意をそのままに生き抜かれたことになるのであります。私たちには、「心を浄めて一層高き世界より来る思想波動に調子を合わせて、それを感ずる様に訓練をしなくてはならぬ」ことを教えて下さっています。

 人間の本当の幸福は、つねに神が自分と共にありて、自分を守り導いておられることを自覚することであります。どんな事が自分の周囲に起ころうとも、「わが人生は光のみ、わが人生はよいことばかりしかないのである」と、自分自身が自分自身に断固として宣言するのであります。そして光の道を、ますます向上の方角に向かって前進するのであります。

 人生の目的は「『神の子』なる人間の実相を現象界に実現するのが人生の目的である」と「霊魂進化の神示」には示されているのであります。生長の家は「神の人類光明化運動」を展開するにあたり、人間観の転換に重点をおいているのであります。この事で詳しく知りたい人は「人類光明化運動指針」第三條を読んでください。

「至上者の自覚の神示」には、「人即ち神であると云う真理を知らぬ者が多いのは気の毒である」と示され、生長の家はこの至上の真理を人々に知らせる為にこの地上に出現したのであると記されているのであります。実に大きな使命が生長の家にはあるのであります。

 聖経「甘露の法雨」の中には、神と人間との関係を、光源と光線の例えでもって示されています。つまり光源と光線が別々に存在することが出来ないように、神と人間とは切り離して存在できないのであります。つまり本来一体なのであります。また「人間神の子の自覚より、神の子人間の自覚に超入せよ」とも示されています。

 本当の人間は、霊的実在であると云うことを自覚することが、どんなに人類にとって幸せなことか、このことを考えるだけでも私たちの胸は、今み教えにふれていることの有り難さで一杯になるのであります。私たちはこの幸せを自分達だけのものにすることなく、全人類に返すことが大切な行動であります。

 谷口雅春先生は常に「自分は神のラッパである」とか、「私の指さすその先にある月を見なさい」と言っておられました。「詳説神想観」と云う本の「はしがき」に、神想観は神授のものであり、私自身も、これに依って「なお修行中のものである」と書いておられます。あの偉大な霊的指導者にして、なおこの様な精進を続けておられたのであります。

 「神真理を告げ給う」の本の中には、神の言葉が書かれているのであります。その一つに、神の御愛念により、神が谷口雅春先生を選ばれて、神の言葉を人類に伝えさせられたことが明示されてあります。この偉大なる霊的指導者である谷口雅春先生にも、この地上を去られる日がきました。それは昭和六十年六月十七日、午前七時五十三分、九十一歳で神去りました。その二十日前の御文章が、前に述べました「実相と現象」と題するご本の「はしがき」であります。

 ここにその中から抜粋させていただきます。
「図り知れない神のはからい、摂理、お導きに、谷口は十二分にお応えし得たであろうか、この九十余年の生を以ていささかの悔いることなく尽くし得たであろうか、と魂の打ちふるえるのを覚えるのである。
 そして谷口に賜った神々の大いなる恩寵に、唯々感謝合掌、悦びが、悦びの波紋が見渡す限り拡がる様を、心眼に拝するのである。」

 谷口雅春先生は、神よりの使命を完全に遂行され、生命を完全に燃やし尽くして大いなる悦びの中に、神さりましたのであります。谷口雅春先生は、私たちが小成に甘んずることなく、今日よりは明日と高き心境にのぼり、深き真理を体得することを望んでおられるのであります。高き霊的自覚のもとにこの真理を一人でも多くの人に伝えて行きましょう。

                            (終わり・243―3)


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