「学ぶ誌」 平成17年12月号

第2回伊勢一泊見真会報告

祈り、歌い、語り合い、”人類光明化運動”の決意新たに!

平成17年9月24日〜25日

─ その感動と感激レポート ─   豊増達夫

 第一日目

  伊勢神宮は平成二十五年に持続天皇以来第六十ニ回目の式年遷宮の盛儀を迎へる予定で、既に各種の準備行事が始まってゐる。このやうな中、平成十七年九月二十四日、二十五日の一泊二日間、「谷口雅春先生を学ぶ会」主催の第二回伊勢一泊見真会が内宮のお膝元にある修養団伊勢道場を会場として開催された。
  秋晴れの晴天の下、全国各地はおろか遠く米国ロサンゼルスに至るまで、国内外の多くの真理を求める神の子達が見真会に参加すべく、ここ修養団伊勢道場に陸続として参集して来た。参加者数総計百名を超え、昨年と比べて数は及ばないものの、参加者の熱意と祈りと聖歌に終始した見真会の内容と質においては、遥かに凌駕するものであった。

  受付を済ませた参加者は日章旗を先頭に内宮に向って威風堂々と行進し、宇治橋を渡り神域に入り、五十鈴川の清水でお清めをした後内宮に向ひ古い杉の大木に囲まれた石のきざはしを昇り、お祓ひを受けた後、御垣内に入り正宮近くで参拝を行った。
会場に戻ると、講堂にて聖歌練習に引続き開会式が行はれた。中島講師による開会の祈りおよび挨拶が行はれた。挨拶に立った講師は「学ぶ会」の理念について語られ、「学ぶ」誌創刊後の三年間で、創刊号は二十頁から始まり、最近の十月号では五十六頁へと三倍増となり、「学ぶ」誌の発展に伴って憲法改正運動、生命尊重運動に取掛かれるやうになったことを指摘された。そして、生長の家の神の子人間観、国家観、天皇観は、神話に淵源する。今回の見真会が、日本国発祥の地である天照大御神のお膝元伊勢の地で、「国のいのち人のいのち」をテーマに開催されることの尊い意義を述べられて、「しっかり真理の研錯を!」と呼びかけられた。会場主である修養団澤事務長よりの挨拶と、大太鼓日本号が打鳴らされて見真会の幕開けが告げられた。

天地の開ける音の神鼓日本号五臓六肺に染み渡るなり


  最初の講話は仙頭泰講師の「尊師に学ぶ吾等の使命と見真会の意義」であり、冒頭、「今目はに青年会長としてお話する。」と前置きされ、人類光明化運勁指針の重要性について説かれた。伊勢湾台風時の神宮衛士の神秘体験や、ある誌友のレイテ島での遺骨収集時の慰霊供養の際の神秘的な体験について紹介された。英霊に取囲まれた高級霊人は「谷口雅春は住吉犬神の化身である」と告げられたといふことである。
  最後に「吾等青年、立上がらうではないか!」と呼びかけられた。

  鎌田久子講師による聖歌愛唱歌の指導を挟んで、特別講師として招聘された皇學館大学文学部教授新田均講師より、「伊勢神宮に就いて」と題する講義があった。講師は、神宮をギリジャ・アテネのパルテノン神殿と比較して、「女神のアテナを祭ったパルテノン神殿には、今日では神も神官も信者も不在であるものの、わが伊勢神宮が如何に対照的で生きてゐる存在かといふことを具体的に指摘されると共に伊勢神宮の特徴と沿革について説明され、皇祖天照大神の三大神勅、すなはち、@天壌無窮の神勅、A宝鏡奉斎の神勅、B斎庭稲穂の神勅について、ご説明された。
  神と人間の関係は、キリスト教においては、創造者と被創造物といふ関係であるが、日本神道においては「国土も人間も神から生まれたもの」といふことを指摘された。

  この後、翌日のプログラムで今回初の試みである分科会活動にっいての説明があった後、夕食と聖経「天使の言葉」一斉読誦を挟み、米国を含む六人の神の子さんから、素晴しい体験談の発表があった。体験発表では、何れも、真理を政治社会運動に展開実践したもので参加者に大いなる感銘を与へた。

  初日最後の講話は、今回特別に招聘した友好団体、新教育者連盟の理事長である同志社大学教授井上雅夫講師の「教育立国」である。講師は、新教連の教団からの独立の経緯を紹介された後、「生命の教育は日本の心を伝へる教育だ」と喝破され、西洋史が専門の講師は、西洋と日本との大きな相違は人間観であり、「人間神の子を教へてゐるのは日本のみ」と説かれ、人間神の子観、神国日本論、日本語の素晴らしさと重要性等について、具体例を挙げながら縦横無尽に説き進められ、「日本の文化が世界を救ふ」と締めくくられた。

就寝前に、修養団事務局より、御当地名物「赤福」が参加者全員に差入れられた。








第二日目

  翌朝、懐かしい起床放送で目覚めた神の子達は、内宮神前神想観のために「日章旗奉戴の祈り」の後、日章旗を先頭に内宮へ向った。内宮前に正坐した一同は、中島省治講師の先導により「伊勢神宮前における神想観」を厳修した。
  神霊充ち満つる御神域で、まさに「国のいのちと人のいのち」との一体感を感得出来る至福の体験であった。神想観後、大阪の仏画師である長島氏の御案内により神域内を見学した。

  感謝行および朝食を終へた後の行事は六分科会に分かれての討論会であり、白熱した意見が交換された。六分科会のテーマは次の通り。

  ・第一班─日本国の実相をどう顕現するか(政治・外交・憲法)
  ・第二班─明るい家庭を築く為に(家庭生活を考へる)
  ・第三班─日本の将来と教育を考える(学校教育・家庭教育)
  ・第四班─困難に戯れる人生(人生問題全般−聖経の功徳)
  ・第五班―生命の尊さと老後(母体保護法と少子化対策)
  ・第六班─食事による家庭教育(食育による子供の育て方)

  十時より会場を四階の大研修室に移して、各分科会の代表者より意見発表が行はれた。

  参加者が多かった第一班においては、憲法問題への取組み万を中心に意見が交換され、復元論と改憲論の両論に分かれたが、「学ぶ会としては、雅存先生の復元論の理念を人事にしていきつつも、現在の政治状況を好機として捉へ、九条等の改憲を実現することが重要である」との意見が大勢を占めた。
  分科会発表に引続き、参加者有志より決意発衣がなされた。







  以後に仙頭講師による結語があった。
  はじめに、見真会実現の企画運営に当たられた世話役の皆様への謝辞を述べられた後、次のやうに参加者へ檄を飛ばされた。
  総本山の「完成の燈台」の名前に込められた谷口雅春先生の思ひを披露された。
  戦争は、人類の迷ひが壊れていく姿、業が壊れつつある姿である。
  「己が愛するもののために己の命を捧げる、これより大なる愛は無し」といふ聖書の言葉を引用されて、日本は乱れに乱れてゐる。このままでは、業が積もっていく。我々が、一切者の自覚を持って、立ち上がっていくことが必要。
  生長の家の人類光明化運動は、神と二人の運動であり、神の人類光明化運動であると述べられて、吾々、誌友の一層の奮起を促された。

  名残り惜しいがいよいよ閉会式である。

  中島講師による閉会の祈りと次のやうな挨拶があった。
『今朝は天候に恵まれ、内宮の神域で神想観実修を行ふことが出来た。
「学ぶ会」は、谷口雅春先生の教義を学ぶのみではなく、その活動面も実践していくことが重要で新たな段階に脱皮しつつある。日本社会が変はる原動力となることを、雅春先生も期待されてゐる。
分科会では皆様のご意見を出していただいて良かった。
各講師の講義で日本神話の重要性が説かれた。
「学ぶ会」の運動、組織の展望について、幹部会で多くの意見も出てゐるが簡単に結論は出ない。各地方で連携して、光の輪を広げていただきたい。』

 長崎の総本山遥拝と万歳三唱の後、太鼓を叩いて拍子を取り、大学生の若き学徒が中央で日章旗を振る中で、全員で手を繋いで、声高らかに使命行進曲を朗唱して再会を約しつつ、新たな光明化運動への決意を胸に帰途に着いた。




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