「学ぶ誌」 平成21年2月号

第5回伊勢二泊見真会報告

「尊師の志を受け継ぎ、 理念実現へ」

平成20年10月24日〜26日


─ その感動と感激レポート ─   川久保勲


  平成十六年から始まった伊勢見真会も、今回は第五回の節目ということで、二泊三日の日程となった。場所は例年通り伊勢青少年研修センターである。

《第一日目(十月二十四日)》

【開会式】
  司会者の喜多哲也実行委員が午後六時三十分に開会宣言をした。国歌斉唱、宮城遥拝の後、舞台俳優の吉井孝明氏が朗々と開会の祈りをした。道場側からは、武田数宏研修センター所長が挨拶され、サマースクールに来る小学生が「修行に来ました」と言ったエピソード等をお話ししてくれた。続いて、若い与岡所員が恒例の大太鼓「日本琥」を一打入魂で叩き、一同の腹に響き渡った。

【開会挨拶 中島省治実行委員長】
  今回の参加者は八十八名。本日は六十名の参加。五年皆勤はニ十名、新人は十七名。本日は、立教七年目の昭和十一年に作成された大聖典の輪読会を行う。大聖典は『生命の實相』全巻三、三五二頁を一冊に纏めた大冊で、立派な漆の木箱に収められている。現代の技術では作れない。

【生命の實相大輪読会】
  最初に中島省治先生が、「音読は目、口、耳で読む」「人によって読む時のイントネーションが違うので、それぞれの感じ方の違いが分かって参考になる」と輪読会の意義を説明。

  伊藤八郎先生は、宮城教化部長時代や、現在札幌で行っている「生命の實相輪読会」の体験から、理解しようと思って読むのではなく、谷口雅春先生の生命の響きに触れさせて頂いていると思って読むのが良いと力説。 大輪読会は全員円座になり、司会者が大聖典をキャスターに載せて回り、各自はその大聖典の前で『生命の實相』第二七巻の第七章「久遠を流るるいのち」を輪読していった。



《第二日目(十月二十五日)》

【聖経読誦・神想観・感謝行】
  四時五十分、黒田辰春実行委員の先導で聖経読誦。続いて、岡田進実行委員の先導で、谷口雅春先生のテープに従って神想観を実修。
  感謝行の後、谷口雅春先生の九十一歳の御誕生日を迎えての長崎総本山での御講話「永遠生き通しの生命」のビデオを鑑賞。

【体験談他】
  朝食後、川久保勲実行委員が「素晴らしい皇居清掃」と題して体験談。御奉仕中、誤って鎌で親指を切って二針縫合の傷を負い、天皇陛下、皇太子殿下から労りの御言葉を頂き、そのお心遣いに皆感激したエピソード等を話した。
  続いて、井野瑶子氏が竹本忠雄先生の「皇后さまの詩集」のフランス語訳の紹介をする。一例を挙げて、「幸くませ真幸くませと人びとの声渡りゆく御幸の町に」では、「幸」の訳は「ボヌール(=ハピネス)」だが、これだけのものではなく、個人的幸福を越えた「フェリシテ=至福」だと説明。

【内宮正式参拝】
九時半より内宮正式参拝の要領を「鳥居を潜ったら私語厳禁」等、江副嘉彦実行委員が説明。十時玄関前に集合し、川久保実行委員が「日章旗奉戴の祝詞」を声高らかに朗読。森澤茂弘氏が日章旗を掲げ、六十名が四列に整列して、内宮を粛々と歩む。垣内にて中島省治先生の御先導で正式参拝。帰路、神楽殿にて神楽奉納。小学生の列に会う。頼もしい限り。








【白水春人・光明思想社代表ご挨拶】
  白水氏は、本年一月に日本教文社を退職し、六月に株式会社光明思想社を立ち上げた。戦後GHQの検閲で出版を封印されていたい『生命の實相』の神道篇「日本国の世界的使命」の第二草「古事記講義」を『古事記と日本国の世界的使命─甦る『生命の實相』神道篇─」として刊行した。これからも、全力で出版事業に取り組むと意気込みを表明した。

【講話 文明批評家・中島英迪先生】
「唯心実相哲学の本義─日本と世界を救う御教え─」と題して谷口哲学を説いた。
  四苦八苦、諸行無常の現象は無い、無いもので苦しんでいる衆生を救いたい。「天国は近づけり」では天国は永遠に来ない、「天国は今此処にあり」。谷口雅春先生の信仰は「天照大神の信仰」。等々。

【体験談 二名】
  最初に今回も十名のお仲間を連れてきた香川県の森靖子さん。地元で中島英迪先生や百地章先生を迎えて講演会を実施している。そこで、昭和天皇を「ありがたい」と言ったお子さんもいたとのこと。

  二人目は、埼玉県の清野輝江さん。細かいことまで気付く御主人に「何でもハイ」を実行したら、御主人から「母ちゃん変わった」と言われた話をユーモア一杯に話した。現在は「子育てアドバイザー」「親学カウンセラー」として、谷口雅春先生の教えを実践している。

【講話 伊藤八郎先生】
  演題は「生命の実相と谷口雅春先生」。
  伊藤八郎先生の父上は九十九歳で聖経読誦しながら自宅で亡くなった。母上は要介護五となり、ベッドで大洪水を起こしても、夫婦二人で笑いあって自宅で介護した。九十五歳でなくなると、今度は奥さんの母上に親孝行するために札幌に転居。札幌では三ヵ所で『生命の實相』の輪読会をしている。
  天之御中主神が実相世界の中心に在すように、天津日嗣皇子である歴代天皇が地上国家の中心として在すのが日本国である。

【浄心行】
  入浴、夕食後、午後六時より浄心行。浄心行用紙のお炊き上げは例年通り屋外で。暗闇の中、中村賢治先生の御先導でマイクを通して聖経一斉読誦。

【テーマ別座談会】
  三班に分かれ、「テーマ別座談会」を行った。「教育」は伊藤八郎先生の御指導、「信仰生活」は中島省治先生の御指導、「真の愛国」は川久保実行委員の司会で行なった。一時間後、それぞれ次の通り発表した。

  「教育」は兵庫県の岡はる子さんが、「日本教育再生機構」「新教育者連盟」「学ぶ会」等の組織が協力することが大事だという意見、詩吟や君が代を子供達に教える実践等を発表した。

  「信仰生活」は愛知県の鵜飼たか子さんが、「息子に嫁が来ない」悩みに対して、御先祖様にお願いしたら、素晴らしい人ばかりが寄ってきたこと等を発表した。

「真の愛国」は奈良県の佐々木春男氏が、「学ぶ会」が「生政連」のように組織を拡大することと発表した。







《第三日目(十月二十六日)》

【内宮早朝神想観】
  四時五十分、真っ暗な玄関前で川久保実行委員が「日章旗奉戴の祝詞」を朗読。境内に入ると、鶏が出迎えてくれた。薄暗がりの内宮前に参列したのは我々の団体のみ。用意したシートを敷き、中島省治先生の御先導で神想観の実修。涙が出る程の感動体験をした人もいた。

「ビデオ上映 ─平成の御巡幸─」
  山古志村の長島町長は「『きれいな村を取り戻して下さい』の両陛下の御言葉で、復興する気力が湧いた」と語った。
  中越地震を蒙った泉田知事は「両陛下は一人一人を見て下さるので、有難いという安心感を得る」等を語った。
  阪神淡路大震災では、復興した街に再度御巡幸された時、皇后陛下は次の歌を歌われた。

  笑み交はしやがて涙のわきいづる
       復興なりし街を行きつつ

  何度見ても、天皇・皇后両陛下と国民の温かい触れ合いが伝わり、涙を誘われる。

【講話 新田均・皇學館大学教授】
「素晴らしい御皇室」と題する御講話。
  皇學館大学で共通科目として設定した「伝統の心と技」の内容の紹介から始めた。和歌・能・茶道・雅楽など文化の起源は全て神祀りに発する。
  天孫降臨は高天原の世界を地上に実現するため。天照大神の子孫が天皇家、その他の神様の子孫が国民である。
  国民も祈る。その発端が天岩屋戸での祈り。現在は神社で祈る。
  これからの日本。天皇陛下のお祈りは公の祈り、国民も日々公の祈りから始めよう。

【決意発表】
  堀本元忠実行委員の名司会により、北海道から宮崎県までの参加者ほぼ全員に時間が来るまでインタビュー。

【井上雅夫・新教育者連盟理事長ご挨拶】
  井上雅夫先生は西洋史が御専門だが、いつもながら日本の素晴らしさを話された。
  世界一恵まれた国である日本に誇りを持ち、日本の心を世界に広めることが、人類光明化運動である。

【閉会式】
  皇居遥拝の後、中島省治先生の閉会の挨拶。「学ぶ会」は七年目を迎え、完成の年である。この運動に賛同する方々の点の運動から線の運動へ、さらに面の運動、立体的運動へと持って行こうと訴えた。

  閉会の祈りを吉井孝明氏が朗々と謳った後、八十七歳の最長老・平岡辰夫氏が気合いを込めて力強く、万歳三唱の音頭を取る。
 全員輪になって手を繋いで「使命行進曲」を声高らかに歌った後、二重の輪になってお互いに右に回りながら、一人一人力強い握手を交わして、全ての行事は終わりを告げた。


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