平成18年 3月号

み教えを生きる悦び (26)

総理よ! ”愚かな首相”と指弾されることなかれ

鎌 田 久 子


  爾のうちの神を生かせ   谷口雅春

  貴方の性格上の欠点は ▼常にこれ位のことは善からうと ▼何でも好い加減の所で済まして置く所にあるのだ。 ▼ちよっとぐらゐどうでも好い。▼ちよっとぐらゐ穢れても好い。▼ちよっとぐらゐ皺がよってゐても好い。▼ちよっと位乱暴でも好い。 ▼私は、此のちよっと位が嫌ひなのだ。 ▼神は愛であるから、神は深切であるから、▼貴方がほんとに神を信ずるならば、何をするにも、その仕事を愛しなければならぬ。▼何をするにも、その仕事を深切にしなければならぬ。 ▼行届いた愛で仕事をするとき、▼深切な心で仕事をするとき、▼貴方のうちにある神が生きて来る。 ▼『ちよっとぐらゐどうでも好い』 ▼毎日貴方はかう云って、▼貴方の内にある神を殺してゐはしないか。

  多感な十代の後半に、この詩を拝誦したときは心・身に自省の激震がはしった。神さまは、おやさしく愛深い方だから、この位のささいな事はお許し下さるという、安易なところが、私には多分にあったからである。 ただわずかな救いは、肉と、肉汁は、家族の理解を得て、さけてきたことぐらいだろうか。平成十八年の今年は ”内なる神” を生かし、輝かす年にしたいと思う。

  昨年、戦後六十年の還暦を迎えた日本は、枚挙に遑がないほど、天災・人災に見舞われた。

  なかでも、耐震強度偽装の発覚には、慄然とした。この事件にかかわった人たちは、人命尊重よりもお金尊重なのである。最初の ”ちょっとぐらい” の偽装が、すぐ発覚しなかったために、だんだんエスカレートしていった。まさに ”内なる神イコール良心” が麻痺症にかかってしまった人たちである。

  いま、私が最も悲しく思っていることは、万物の霊長である、万能を具えた人間の赤ちゃんが一日に二千人以上も、中絶されている実状である。

  昨年末の人口問題研究所の発表によれば、大正九年の調査開始以来、初めて人口が減少したという。 この減少は、予想より二年も早くなっており、このまま推移すれば、百年後の日本列島には約四千五百万人位しか生存しないことになる。

  最近政府が、少子化に歯止めをかけるために始めたことは、子育て支援である。

一、妊婦の出産費用の全額負担。
二、乳幼児保育施設の拡充。
三、共働き夫婦には、育児休暇付与。
四、児童手当増額など。

しかし、こうした姑息な対策では、歯止めにはならない。いま、日本の人口は、一億二千七百八十三万人。戦後、中絶された胎児は、約一億人以上。闇の数字を勘案すれば、現在の人口にほぼ匹敵する。為政者よ、聖なる国の生命と、国民の生命の、真の尊厳に目覚めてほしい。

  総理よ! 九月退任までに、貴方が第一になすべきことは、 「母体保護法の改正」 です。第一四条四項の 「妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を箭しく害するおそれのあるもの」 この文言を削除すれば、人口減少も、道徳頽廃にも歯止めがかけられます。総理、いますぐ私的諮問委員会 「母体保護法改正に関する有識者会議」 を立ち上げてください。この殺人奨励法を野放しにしておくことは、悪業を積み重ね、その浄化作用による天災・人災の禍事に、またしても日本列島は襲われるでしょう。

  総理よ! 第二になすべきことは、 「現憲法の廃棄」 です。昨年、党是である憲法改正の案を読んで、あいた口と眉間のシワを元に戻すのに数秒費やしてしまいました。当初提案された腐心の憲法前文を、貴方が書き換えさせた十三文字の表現文に対してです。今さら日本解体の ”癌ウイルス憲法” を下敷きにして、少しばかり改めたところで、日本の生命賦活し・再生はできません。

  総理よ! 第三には、 「教育基本法の改正」 です。 ”国家自年の計は教育にあり” このことを、歴代首相は、なおざりにしてきました。

 「母・保」 「憲法」 「教・基」 の三大悪法は、昭和二十七年四月二十八日の講和条約締結時に、廃棄宣言をするべきだったのです。 改革をモットーとする総理! この一、二、三は、早急に、同時進行改正をして頂きたいのです。 最後に謹んで進言を呈上致します。

  五年前、宮中の認証式に参内し、天皇陛下より内閣総理大臣を任命されたあの恐懼感動のときを、総理、思い出して下さい。 貴方は、陛下の御信任を得て、国政を陛下からお預かりしている臣下であることをお忘れですか。 かつての大日本帝国憲法第二章 「天皇」 第二条 「皇位ハ皇室典範ノ定ムル所二依り皇男子孫之ヲ継承ス」 と記されています。もしこの度の 「皇室典範」 改悪案を議会に上程したら、大和民族のみならず、世界の有識者から愚かな首相と、指弾されるでしょう。





鎌田久子氏
どんな教えか
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