平成18年11月号

み教えを生きる悦び (33)

天地一切のものと和解されておられる歴代陛下

鎌 田 久 子


『七つの燈台の点燈者の神示』 には ”汝ら大地一切のものと和解せよ” と、お啓し戴いている。
  誰それと和解しなさい。ではなく、天地のすべてのものと和解せよ。ということは、非常に難しいことに思える。しかし、その和解する方法とは ─ 互いに詠えたり、我慢しあったりしていては、真の和解は成立しない。感謝しあったときにこそ本当の和解が成立する ─ とのご教示である。

  私は、天地一切のものと和解し、万物への感謝を、ごく自然に、実践躬行の範を垂れ給う御方は、畏れ多いことながら、歴代陛下にましますと、仰がせて戴いている。とくに昭和天皇さまには、終戦をご決意遊ばされるにあたっては、どれほどお苦しみになられたことか。側近の方々の著述を拝誦してすらなお、はかりしれないものがある。
  天皇陛下まします首都の上空にも米機が飛来し、御所の近くにも焼夷弾が落ち、やがて東京大空襲により十万人以上の都民が焼死した。そのあと、広島と長崎にも原爆が投下された。ああ、昭和天皇ほどの重い困難を背負われたお方が、かつておわしましたでしょうか。その頃の陛下はすっかりおやつれになり、朝、歯ブラシをお口に含まれたまま、三十分近くじっと立ちつくされておられることも、しばしばお見受けされた … 。また、ときどき誰もいないご座所で、 「○○大臣はどう思うか。」 と仰せられることもあられたという。

  ニ千六百有余年の国柄を皇孫に引き継がれるご使命。大御宝と慈しむ国民をこれ以上死なせてはならない。各国の民族を殺戮してはならない。との思し召しから勇気あるご決断をなさり、 ”ポツダム宣言” 受諾に踏み切られたのであった。

  八月九日と十四日の御前会議のご苦悩。初めての玉音放送。日本の国の生命と国民の生命を必死で守り、お救い下さった先帝陛下の大御心。その大御心を想起するたび、私は涙せずにいられない。

  奇しくも、別称『大調和の神示』が天降った九月二十七日、敵将マッカーサー元帥に会見され、 「このたびの戦争責任は、一切私にある」 とご自身のお生命と皇室の私有財産目録とを引きかえに、飢えと貧困に苦しむ罪なき国民をどうか救っていただきたいと申し出られた天皇様。
  神は、この神示の冒頭に 「皇恩」 に感謝せよと宣り給う。聖師谷口雅春先生を通して天降った神示なるがゆえに、次に 「汝の父母に感謝せよ」 とのお示しである。けれども私は、この ”日本なるもの” の神髄を縦横無尽に説き明かされ、中心帰一を具現化している ”神国日本” ”神の子人間” の宇宙普遍の真理を純粋にお伝え賜った 『師の恩』 に、魂の底から、有難うございます、と感謝を捧げている。尊師まします同時代に生んでくださって、正しい国家観・人間観に触れる機縁を与えていただいた両親に心より深く感謝の念を抱いている。

  昭和二十年八月三十日、厚木の飛行場に降り立ったマッカーサーは、連合国最高司令宮として、矢継ぎばやに、日本弱体化政策を実施した。

このマッカーサーの四大失策は、

@アメリカ流民主主義で日本統治を行なったこと

A現人神の天皇に「人間宣言」を行なわしめたこと

B日本の国柄にそぐわない、主権在民の憲法を強制したこと。

C政治犯(日本国家転覆を狙った思想犯)を釈放し、政治警察の廃止と、
  その警察首脳部退陣を行なったこと、

などである。
  地下活動から解放された共産党員たちは、 「天皇制打倒」 を叫び、昭和天皇を誹諦中傷、不敬な言動やデモをくりひろげた。

しかし天皇様は、

@命懸けで戦争終結の大英断を下され、

A皇祖皇宗から承け嗣がれた国柄を守られ、

B捨身を覚悟されて国民を救って下さった、

そういうお方である。 私憤 ・ 私心 ・ 私利 ・ 私欲が皆無の大いなる慈光の前には暗は消えていくのだった。

  日本の国のいのち、国民のいのちを尊び、支え、朝に夕に祈りつつお護りくださった昭和の天皇様、そのお蔭で、いま、こうして生かされている私ども … 。戦後六十年の昨年は、ようやく現憲法・教育基本法の廃棄・改正の機運が高まってきたときだったが、突如、 「皇室典範改正案」 が小泉首相に手交され、首相は今年四月の国会に上程すると上機嫌で発表した。
  わずか十ヶ月の審議でつくられた案は、長子優先、女性天皇、女系天皇容認である。男系による万世一系、百二十五代の霊的皇統を保つ日本国家の根幹をゆるがす一大事である。世界の至宝であり、人智・人力ではなし得ない 「天皇国日本」 を、今度は国民の我らが守護しなければ!と無我夢中で日夜 櫛風沐雨 の活動を展開した。

  二月七日、秋篠宮妃殿下ご懐妊。待ちに待った九月六日。 「中」 から神風にのって四十一年ぶりに男子皇孫が授けられた。日本列島は歓喜に沸いた。万歳!万歳!万々歳!と。





鎌田久子氏
どんな教えか
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