平成20年 9月号

み教えを生きる悦び (54)

「人間神の子」の教育によって、浄化の火を掲げよう!

鎌 田 久 子


  ― 宗教なき教育は、俐巧なる悪魔を造る ─ とは、ワーテルローの戦いでナポレオンを破ったイギリスの将軍ウェリントンの、肺腑をつらぬく言葉である。
  日本は、戦後の六十四年間、このもっとも大切な宗教情操の涵養を、家庭 ・ 学校 ・ 社会 ・ 国家がこぞって、なおざりにしてきた。

  かつて、明治四年に文部省が設置され、全国に先がけて開校されたのが、長野県の開智小学校であった。

 「ただいま、明治百年を記念して閲覧できるので、ぜひ中央部の皆さまお揃いでお越し下さい」
と、長野県連白鳩会長のお誘いをうけ、私たちは、古川会長を先頭に、休日を選び、局員十二名で参上した。もう四十年ほど前のことである。

  まさに百聞は一見に如かずで、あのときの感銘は、いまも心に深く息づいている。二階だての木造校舎は、広い校庭の先の小高い丘の上に建っていて、当時、こんな立派な学校を建てたという長野県民の意気込みが伝わってくる。各教室の窓には、ガラスがはめ込まれ、中はほどよい明るさが保たれている。矢印のコースにそって、小学一年生の教室から順番に見学する。

  小学一年生の音楽教本の一頁目には、片カナで国歌が載っている。二頁目には、やはりカタカナで、
  「シロジニアカク、ヒノマルソメテ、アアウツクシイニホンノハ夕ハ」
と国旗を称えている。

  小学三年生の国語読本には 「富士山」 の美しいさし絵とともに、詩情あふれる文がつづられている。

    どこから見てもいつ見ても
    富士のお山は美しい
    白いおうぎをさかさまに
    かけた下から雲がわき
    すそひくはての松原に
    太平洋の波がたつ
    とかといお山 神の山
    日本一のこの山を
    世界の人があおぎみる

  二階に上がり、四年生の教室に入ると、黒板に 「小学掲図」 とかかれた掛軸がかかっていて、

    神は天地の主宰にして
    人は万物の霊長なり

と、墨痕あざやかに認められていた。
 ”生きとし生けるものすべての源は、神が司り、生み与え給う。中でも、限りなくすぐれた万能の智慧と、霊的生命力を有する長(おさ)が人間である” という尊師が説かれる ─ 唯神実相哲学 ─ 「神は愛なり」 「人間神の子」 の真理がすでに授業にとり入れられていたことに非常な感銘を享けた。

  往時の学童は、修身で先祖や両親や目上の方を敬う礼儀作法を含む徳育を身につけ、音楽・国語では、気付かないうちに、日本国と日本民族の誇りが心のうちに根を張る教育がほどこされていた。

  校庭には、向学心を奮い立たせる二宮金次郎の像がある。まわりの木立からさわやかな自然の風が吹き込んでくる清らかな場所に、奉安殿が建っている。その中には、天皇陛下、皇后陛下の御真影と、明治二十三年に発布された 「教育勅語」 が安置されているという。その頃の生徒たちは、この奉安殿の前を通るときは、必ず立ち止まって最敬礼をしたところである。
  英邁な明治天皇の思し召しのもと、日本はアジアで最も早く学制が敷かれ、識字率は世界一となる。

  明治の学童たちは、学年がすすむにつれて、「古事記」 神話を学び、日本国家は神が生み給うた神国であり、人間は神の生命を宿した神の子であることを自覚していった。日本民族のコアパーソナリティとDNAには、天の益人(優秀な神性を具えた人間) であるという黄金の刻印が押されているのである。

  宗教なき教育によって、いまや日本も世界も乱れに乱れている。母体保護法などという悪魔の知恵によって作られた悪法が、中絶を正当化し続けている。しかし、日本国民はもとより世界の人々の心の奥底には、日本に宿り、天の益大が放つ黄金の光によって悪魔がはびこる暗が吹き払われるときを、待ち望んでいる。

  さあ、国の生命、人の生命を浄め、生かす運動を巻き起こしましょう! 「天使のほほえみ」 も、いま住吉の大神の浄化のお力を頂いて、過去一億人の胎児の一大供養をさせていただきます。ともに手を携えて宇宙浄化、日本浄化、世界浄化の聖業に立ち上がりましょう!

  合掌 深謝 礼拝





鎌田久子氏
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