平成20年10月号

み教えを生きる悦び (55)

日本固有の領土・領海を守れ!

鎌 田 久 子


 いま、とても気がかりなことがある。それは、日本国体の生命である領土 ・ 領海を不法占拠したまま、いまだ六十三年間もロシアが返還しないことへの公憤と、為政者への働きかけを怠ってきた自己へのはがゆい思いを含めてのことなのだが … 。
  とにかく、早く手を打たないと、尖閣列島 ─ 東シナ海ガス田の二の舞を演ずることになる。

  というのは、旧ソ連時代に、ロシア極東サハリン州の海洋地質研究所のアレクサンドル・イリエフが「北方領土には、大量の石油と天然ガスが埋蔵されている」 と、具体的な数字をしめして調査結果を発表している。
  とくに、千島列島中部周辺には、十三億─十六億トン。色丹島の間にある国後海淵には 「五千七百万─六千万トンの化石燃料を生成する堆積岩主体の地層があり、鉱床の存在をうらづける証拠」 と、述べている。

  この調査は、ペレストロイカ(改革)に伴う混乱や、ソ連の崩壊などで、忘れられていたかにみえたが、近く詳しい研究調査結果が公表されるという。
  老獪なロシアは、公表した暁には、この資源の宝庫である北方四島を絶対に返還しない方策を次々と打ち出してくるにちがいない。

  生命尊重運動の見地からも、愛する日本の人財 (拉致) や、資源が、他国に次々とかすめとられていくことは、自分の手足をもぎとられていくように切なくて、座視できない。

  生長の家本部の「神癒祈願部」に、井上如水先生という個性豊かな名物先生かいらした。ある日のこと、廊下でバッタリお会いした。

  「あっ、あなたに教えたいことがある。すごいニュースだ。はよ、はよ、いらっしゃい」 と腕をつかまれ、先生の机の前に連れていかれた。
  「ほうれ、ここを読んでみんしゃい…」

  たしか 「やまと新聞」 だったと思う。本当に先生が興奮されるだけのことはある内容の記事だった。─尖閣列島周辺は宝の山。一億の日本人が百五十年位は使用可能な石油が埋蔵されている ─ という見出しの嬉しいニュースだった。

  「先生、日本は神様に祝福されていますね。この新聞、ここでメモさせて頂いてよろしいでしょうか」
  「おお、おお、いいですとも、いいですとも」

  心なしか、如水先生のお鼻の穴は、少々ふくらんで、満面の笑顔は、えびす様そっくりだった。

  あの頃は、雅春先生が、日本の、世界の、指導者として、私どもの先頭に立たれてお導き下さっていたので、まさか日本が石油争奪戦に巻き込まれることなど予想もしなかった。まして瑞穂の国 ・ 日本が、外国からお米を輸入する事態になることなど、考えたこともなかった。

  限りなく日本を愛する雅春先生は、国防 ・ 外交 ・ 国益 ・ 国力について、いつも緻密に鋭敏に反応された。日本国民の命運を担って航海する ”日本丸” の舵を取る、時の総理には魂を込めて親書を送られた。
  その結果、わが国は、どれだけ多くの危機を乗りこえてくることができたか、計り知れない。

  昭和三十九年八月二十八日には生長の家政治連合が発足した。尊師ご指導のもと、生政連が国力賦活のための運動方針を、時宜に合わせて打ち出す。それを相 ・ 白 ・ 青で懸命にこなしてゆけばよい。 ”尖閣列島は油田の宝庫” と、いちじは満足していたものの、いつしか忘れてお人よしの日本は、中国共産党に編されて、東シナ海ガス田共同開発に合意し、互恵という名目で中国企業に出資し、日本側のEEZにある石油を、中国に過半数、提供することになってしまった。

  私は最近、自民党の国会議員に 「あなたのご祖先は、北朝鮮? 韓国? 中国系?」 と、問いただしたいときがある。中国はとくに油断のできない国である。台湾を合併し、次は沖縄を狙っている。東シナ海、南シナ海も手中に収め、米国と手を組んで南進し、世界を席巻していく。

  竹島は日本固有の領土と教科書に書くことさえはばむ韓国は、すでに独島と国を挙げて呼称し、島を占拠してしまった。また佐賀県 ・ 生月島のすぐ先の対馬・壱岐には、韓国漁民がビザなしでやってきて、大量の魚介類を捕って釜山に帰り、日本に高額で売りつけ利益を得ている。彼らは木槿(むくげ)の木を植えてゆき、やがて韓国の木槿がこんなに生えているから韓国領だという作戦もとっている。

  防衛省よ、しっかりして下さい! 独立国日本に、スパイ防止法を作って下さい!

  神様 「天使のほほえみ」 は、胎児の生命の尊厳、日本国体の生命の尊厳、世界人類の生命の尊厳を訴え、守り、生かすために、熱く祈り、伝道に励んでまいります。とく導き給え。

 合掌





鎌田久子氏
どんな教えか
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