天地の初発の時、高天原に成りませる神の名は天之御中主神 ─ 。
(元旦の朝、はれやかに、音吐朗々と古事記を誦し奉る ─ 新春の最も静かな刻を選んで … )
尊師が 『古事記と現代の預言』 を着わしてくださったお蔭で、最近ようやく神々のみ名に籠もる深い言霊の意義を解らせていただきつつある。
この古事記に秘められた言霊を、声に出して誦えていると、何ともいえない馥郁とした香りとともに、内なる生命が鳴り響き、ああ、私たちは神さまから幸き生えられた神の子の生命 ─ ”生きとし生けるもの” すべてが、天之御中主神から成り、鳴り響いて、今ここに、現われている尊い存在 ─ 。この有り難く、慕わしく、魂が清く、昂揚していく感懐は、あの聖経 『甘露の法雨』 を読誦させて戴いているときと同じような韻律が奏でられているからだろうか。
聖経『甘露の法雨』冒頭
或る日天使生長の家に来りて歌い給う
創造の神は五感を超越している、
六感も超越している、
聖 至上 無限 宇宙を貫く心 ─
宇宙の中心から鳴り響いてくる真理の歌 ─ 。
『生長の家五十年史』 によると、昭和五年十一月一日 「神想観実修歌四首(招神歌)」 発表。同年十二月一日 『生長の家の歌』 と題して 『甘露の法雨』 の ”神” ”霊” ”物質” の項を発表、とある。
尊師は、『新講 「甘露の法雨」 解釈』 のなかで、
「それは或る日だゞ単に私にインスピレーションがまゐりまして、スラスラと自然に流れるやうに書いた詩が、この『甘露の法雨』で、『天使の言葉』といふ詩も、一緒につづいて出て来たのであります。」
と書いておられる。
昭和十八年十一月一日には、 『続々甘露の法雨』 が発表されているが、この 『聖経』 も、
或る日、再び天使「生長の家」に来りて歌ひ給ふ ─
と ”真理” が天使の歌声で奏でられていく。光の神韻を奏でる 『甘露の法雨』 をはじめ、聖経三部経に、神の子の生命が共鳴し、天使の歌声に和して、高らかに誦し奉るとき、大いなる安らぎのもと、本来の実相が照らし出され、すべての不完全が消え去り、奇蹟が無限に続出する。
現在の聖経は、尊師が宇宙普遍の真理の凝縮さた聖詩を天界からインスパイアされ、小木虎次郎工学博士の発案によって携帯便利なお経の形に製本されて出来上がった。この聖経の誕生によって、地球というこの惑星に住む私たち人類は、いま計り知れない、たくさんの功徳に浴させていだいている。
イラク・サマワの自衛隊駐屯地には、過去三回テロリストが砲撃を加えている。最初の一発が宿舎の側で作業をしていた隊員の目前で炸裂した。その隊員は 「やられた」 と気を失って倒れたが、意識が回復してみると、一滴の血も流れていない。宿舎も燃えていない。ハッと思って作業衣の内ポケットの妹さんから贈られた 『甘露の法雨』 を取り出すと、無数の破片が突き刺さっていたが、彼の生命と宿舎は無傷であったという。その後、昨年暮までには、二発が打ち込まれたがいずれも不発弾であった。
神の完全円満の救いの霊波は、久遠の昔から、常今も、未来永劫、大地に充ち満ちてい給う。 私たち神の子は、その光の霊波に心のダイヤルを合わせれば、天の構図が地上に湧出するのだ。
かつて私は、生涯墨染めの衣を心に着て、一信徒として生きていこうと決意し、生長の家本部を依願退職した。その後、戦後教育を受けたS学会員の多い職場で、力みながら懸命に生きていた。
久し振りに 「白鳩会全国大会」 に参加したときのこと。 午後の部は、一万人が起立して、聖歌隊の皆様と、聖歌 「神と偕に生くる歌」 の大合唱で始まった。 聖歌のお言葉を噛みしめるように唱いながら二番の歌詞にさしかかったとき、ふいに涙が込み上げてきて拭っても拭っても止らなくなってしまった。
われ一人来て われひとり
生くと見ゆれど ふたりなり
その今一人は神にまします
ああ、神さまと二人だった。一人で気張って、職場の光明化に励んでいた私、でもそうではなかったのだ。大いなる神の御手に抱かれ、護られ、導かれている、神の愛ぐし児であった。
天に召された谷口雅春先生ご夫妻は、もう壇上にはいまさねども、聖歌によって神の子の生命を甦らせていただいた。
その日以来、「聖歌」 は、谷口雅春先生の御法話に匹敵すると、拝みつつ唱わせていただいている。
神想観も 「招神歌」 で始まり 「光明思念の歌」 で修了する。静謐にみちたい朝、神想観と 「聖経」 を読誦し、夜の八時三十分には 「世界平和の祈り」 を行って真理の言霊を日本国中、世界中に鳴り響かせていきたい。
今年は節目 (節は神のエネルギーが凝り固まっていて、そこから真芽が出て伸びる) の年。み教えの本流を復活し、「天皇国日本の実相顕現運動」 を完遂するために、 「皇国の興廃は、この節目の年を、いかに燃えて生きるか、にかかっている」 と思う。
御中より鳴り響く歌「古事記・聖経・聖歌」の美しい調べを、日々たからかに唱いつつ … 。
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