平成17年 5月号

み教えを生きる悦び (16)

今年は十項目の節目から真芽が芽生える年

鎌 田 久 子


 新宿に 「感尉と奉仕」 を信条とする 「三平」 というお店がある。三のつく日は、五百円以上のレシートで抽選ができる。その抽選が楽しみで、私は三のつく日に十日分の買い物をし、野菜や魚類を冷凍保存しておく。 この二年間、あたるといいなあ、とひそかに念じながら抽選箱を回すのだが、まだ一度もあたったことがない。

 二月十三日は、夜の八時ごろ、三平に行き、 「救心」 だけを求め、地下二階の抽選場所に直行した。
「今日はたった1回しか引けないのよ。たまには当てさせて下さいナ。お願いネ」 と話しかけながらポンポンと軽く六角形の抽選箱をたたくと、買い物客の数人も、笑顔で興昧深げに足を止めた。
 皆に見守られながら、一気にガラガラツとまわし、固唾を呑む。ポトツと緑色の玉が落ちた。
「ウワーッ、当りです。機械がお客様の言うことを聞くなんて…。スゴイ!不思議だ!」 若い店員がびっくりした表情で叫んだ。
「ほんと、なんてお利口なんでしょ。あなたは感度抜群ねえ」 と思わず抽選箱に合掌すると、笑声と拍手がおこった。恥ずかしいやら、嬉しいやら … 。 一等、購入全額があたった。

 尊師は 「言葉には創化力がある」 とお説きくださっておられる。想念言葉よりも、強く念じつつ発声する言葉は、もっと鮮やかに顕在化するということを、あらためて体得させて頂いた。

 抽選といえば数年前、国際文化経済交流会(ジヤイス)主催の会に招待されたときのこと。各国の留学生たちが、お国自慢の歌や踊り、器楽演奏などを披露し、最後は抽選が行われる。一等は十万円と発表されると、会場からウオーッという歓声と拍手がおこった。

 右隣りの方が 「私はくじに弱いから」 と暗い顔でつぶやかれた。 「いいえ、まだ解りませんよ。ポジティブに考えましょッ。当る当る当る。当った当った当った。神様有難うございます。」 アッハッハツと笑うと、 「まあ、面白い方ね」 と彼女も アハハ と笑いだした。
 理事長が、箱の中からおもむろに取り出した紙片の番号をゆっくり読みあげる。 「あらっ」 と私。のぞき込んだ彼女が 「当ってます。この人」 と叫ばれた。 「お芽出とうございます。どうぞ舞台にお上がり下さい」 。

 羨望の視線を全身にあびながら、夢心地で舞台に立った。 「住所、氏名、御感想を」 といわれ、とっさに日頃の思いが言葉となってあふれだした。

 「私は、只今 ”世界維新の会” に無報酬で奉仕中ですが、奉仕とは、時間と、財産と、生命力を捧げることだと思えるようになりました。掃除婦、事務員、オルガナイザーなど兼任の日々でございます。ワンルームの部屋代が丁度十万円なのですが月末になると払えなくて苦慮しておりました。本当に旱天に慈雨を神様から貴会を通して頂戴致しました。有難うございます。
  世界維新の会は現憲法無効運動を展開中です。日本は昭和二十七年四月に独立しましたが、現憲法を遵守している限り、独立国家の体を為さない。大日本帝国憲法は、今も現存しています。戦後、日本の議会で国号や、大日本帝国憲法変更の法案提出はもとより、可決もされていません。押しつけ現憲法を、一日も早く廃棄し、自動的に明治憲法に復元。文言改正の日を迎えたい。その日まで黒子として命がけで奉仕活動を続けてまいります。」

 見知らぬ人達から 「頑張ってネ」 と肩を叩かれ、金券を授かったこととともに憲法の話をさせていただけたことが何よりも有り難く、嬉しかった。

 今年は、十項目の節目から真芽を芽生えさせる重大な年である。

、北方四島を日本の領土と定めた「日露通商条約」締結百五十年の節目。
、日清戦争百十年の節目。
、日露戦争勝利百年の節目。
四、昭和八十年の節目。
五、大東亜戦争終結六十年の節目。
六、自民党結党五十年の節目。(党是には「現行憲法の自主的改正をはかり、占領諸法制
   を再検討し、国情に即してこれが改正を行う」と当初から謳っている。)
七、日韓友好四十周年の節目。
八、四年に一度の中学校教科書採択の年 (今年こそ、道理をとおさねばならない)
九、皇室典範を見直す審議会の行方を見守る年。
十、拉致された同胞を全員無事救出する節目の年。

 思えば、横田さん御夫妻が、愛するめぐみさんへの影響をも恐れず、大音声をあげつづけて下さったお蔭で日本人は覚醒することができた。正しい国家、国防、国益を踏まえた民族意識も芽生え始めてきた。陰きわまれば陽転する。祈りを深めつつ、迷妄を打破する正論を、雄叫びし、雌叫びして、日本の真姿を顕在化しなければならない。

 ときは今、今年ほど節から真芽が仲びる当たり年はない。

  ”念ずれば花ひらき、大音声で語りつつ行動すれば、実を結ぶ”


「皇国の興廃、あまた節目のこの年にあり」である。

  皇国の興廃節目のこの年と 書きつつたぎるわが血潮かも





鎌田久子氏
どんな教えか
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