生長の家社会事業団声明文

(1)日本教文社への今次提訴の経緯


 財団法人生長の家社会事業団は、生長の家創始者谷口雅春先生が、大東亜戦争後の日本と世界の惨状を憂い、祖国再建の一大運動と世界救済の悲願を達成すべく『生命の實相』の著作権及び御私財を寄贈され、昭和二十一年一月八日、主務官庁の設立許可を受け創立された公益法人であります。
  終戦後の占頷下で、谷口雅春先生が公職追放を受けられ、その活動はI頓挫のやむなきに至りましたが、社会に貢献する公益事業として福祉分野において社会的養護を必要とする児童の養育とその家族を支援する「児童養護施設 生長の家神の国寮」の経営は六十有余年の実績を積み上げて参りました。
  それと共に、『生命の實相』や聖経『甘露の法雨』等の各国語への翻訳事業の助成、宗数的情操教育の普及、育英事業等にも取り組んでまいりました。今後は、さらに児童青少年の健全育成事業、文化振興事業、生命の教育による国民心身健全発達事業等、幅広い分野での社会貢献が期待されています。

  財団法人生長の家社会事業団が著作権を所有する『生命の實相』等の出版事業は、関係団体である株式会社日本教文社と出版契約を締結して行ってまいりました。
  特に、『生命の實相』は、谷口雅春先生が「馨字即實相の神示」によって「吾が第一の神殿は既に成れり。名付けて『生命の實相』と云ふ。」と示された生長の家の根本聖典でありますので、できるだけ多くの人々に拝読していただけるようにとの思いから、読み易く、リニューアルすることを株式会社日本教文社に再三にわたって要望してまいりました。しかしながら、株式会社日本教文社の内部事情のみの理由で、今日まで実行されていません。

  このような根本聖典たる『生命の實相』に対する無視・軽視は、相次ぐ谷口雅春先生の御著書の出版停止(事実上の絶版措置)と同質の問題であり、本来谷口雅春先生の御著書を出版することを第一義に設立された株式会社日本教文社の存在意義そのものを否定する致命的な暴挙であります。
  こうした谷口雅春先生の御心をまったく顧みない状況が続く中、これまでの出版契約当事者としての信義誠実な関係を完全に裏切る、株式会社日本教文社による当法人に対する権利侵害が発覚しました。

  すなわち、昭和五十七年五月一日を初版発行日として発刊された「初版皮表紙『生命の實相』復刻版」(定価一万円)は版を重ねておりましたが、突然何の通知もないまま勝手に著作権者名の改変、生長の家社会事業団理事長「検印」の消去、印税の不払いなどの看過できない内容の不法行為が明らかになったのです。
  この件につき発覚後直ちに、株式会社日本教文社に対して強く是正を求めましたが、誠意ある対応のないまま、「初版皮表紙『生命の賞相』復刻版」の著作権は昭和六十三年以降財団法人「生長の家社会事業団」には存在しないとの、著作権法上あり得ない珍妙なる理屈を強弁し、正当な著作権者である財団法人生長の家社会事業団の要求を無視してきました。

  ことここに至り、谷口雅春先生の御心を踏みにじって憚らず、甚だしく信頼関係を損なう行為を重ねてきた株式会社日本教文社に対し、已むに已まれぬ思いで法的手段に訴える決断をした次第であります。(左記「訴状」と「解説」参照)

  願わくば、本来の「谷口雅春先生の御著書を大切に出版し続ける」使命を有する株式会社日本教文社の甦らんことを祈るのみであります。


「生命の実相」を守る戦い

社会事業団護法の運動

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