財団法人 生長の家社会事業団

日本教文社への訴状


訴 状 (要約)
               平成二十一年二月二七日
東京地方裁判所 御中
    原  告 財団法人生長の家社会事業団
    被  告 株式会社日本教文社
著作権侵害賠償等請求事件

第1 請求の趣旨
  1 (未払印税の支払い請求)
  2 (謝罪広告の掲載請求)

第2 請求の原因
(当事者)
  原告は、宗教法人「生長の家」の創始者である亡谷口雅春氏によって著作された同人の代表的著作物である「生命の實相」を始めとして、その主要著作の著作権を寄附行為として財団の基本資産を組成しているものである。

(本件書籍の出版)
  別紙書籍目録記載の書籍(以下、「本件書籍」)は、原告と被告間の「著作権使用(出版)契約書」に基づき昭和五十七年五月一日に「生命の實相」発刊五十年記念出版として初版千部が発行された。その後、売上げが好調だったため版を重ねた。本件書籍の初版本の奥付には、著作権者である原告の理事長印が検印として押捺されている。

(被告による著作権者不当表示及び違法行為発覚)
  ところが、平成十二年五月一日を発行日とする本件書籍の十八版においては、奥付けの著作権者の「検印省略」と記載され、真実と異なる表示に、原告の預かり知らないところで変更されていることに、平成20年10月になって原告は気がついたものである。

(原告からの照会と被告からの不当な回答)
  平成二十年十月二十七日に、原告から被告に対して上記の事実に問し、本件書籍の著作権者として理由や経緯等を具体的に問い質した。
  被告は、同年十一月四日付「通知書」で、「当時の担当者の多くが既に退職したり、亡くなったりしているほか、資料の所在を確認するだけでもかなりの時間を要することが見込まれます。」と回答の延期を通知してきた。
  ところがその後、平成二十一年一月十三日付「回答書」において被告は、「「生命の實相」に関する貴事業団の著作権は、昭和六十三年三月二十二日付確認書において定められている通り、「生命の実相」の頭注版と愛蔵版に限定されており「初版革表紙 生命の實相 復刻版」の著作権は貴事業団に帰属しておりません。」という、何らの理由にも根拠にもならない不当な返答を原告にした。

  このことによって、原告は本件書籍の出版契約について解除をする旨を、被告に対して通知した。

  被告は、原告が求めていた照会、すなわち昭和五十七年五月に本件書籍を出版して以来どういう理由で、いつから「検印省略」と著作権者表示の記載を変えたのか、その際に原告へ何らかの通知や説明を行ったかの有無・内容・理由等について、原告に対して何らの回答もしていない。以上の事実経過からして、被告が故意によって上記に記載した著作権者の不当表示を行っていることは間違いがない。

(本件請求)
  よって原告は、本件書籍の著作権者として、著作権及び出版契約に基づき、被告に対して本件書籍の未払印税を原告に対して支払うことを求めるとともに、違法・不当な著作権者表示により毀損された原告の名誉等侵害に対して民法七〇九条及び同七二三条に基づき、被告に対して謝罪広告の掲載を求め、これらの請求に必要な弁護士費用の支払とともに請求の趣旨どおりの支払等による救済を求めるために本件請求を提起した次第である。

(別紙) 書 籍 目 録
  「初版革表紙 生命の實相 復刻版」(谷口雅春著、初版発行昭和五七年五月一日)、定価一万円、書籍本体大きさ縦約十五p、横約十一p、厚さ約四p

(別紙)謝 罪 広 告 目 録

     謝 罪 広 告
  当社が出版致しました、「初版革表紙生命の實相復刻版」(谷口雅春著)十八版及び同十九版におきまして、真実と反した著作権者の表示をしたことを認め、著作権者である財団法人生長の家社会事業団に多大なご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。

平成 年 月 日
              株式会社日本数文

財団法人生長の家社会事業団殿




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